feebee 個展「共生」2019.7.11 - 8.10

 インターネットの普及した現代では、自ら買物に出掛けなくても大抵の物は翌日には届き、地図を読むのが苦手な私でも、地図アプリのナビにしたがって、迷わず目的地に到着する事が出来ます。このように、インターネットによって様々な時間は短縮され、私達の生活は劇的に便利になりました。確かにそれは大変喜ばしい事ですが、便利さによって得た時間の分だけ、生活のサイクルもスピードを増して、かえって以前よりもせわしなくなったように感じてしまいます。

 

 私達は、自然のサイクルの中で生きている生物であることを忘れがちです。いくら便利になっても、その他の生物と同じように、睡眠や食事をとらずに生きる事は出来ないし、生殖せずに子孫を残す事は出来ません。ほとんどの生物は、生きて子孫を残していくために、何かしらの共生関係を持っています。例えば、植物と菌根菌の関係では、植物は光合成でできた糖分を菌根菌に与え、菌根菌は土壌から吸収した無機栄養分を植物に提供する事で、お互い利益を受ける「相利共生」という共生関係が出来上がっています。しかし、もし人間が便利だからという理由で、無機栄養分を肥料に変えて植物に栄養を与え続けたら、植物は菌根菌なしで生きられるように進化するかもしれません。そして、菌根菌との共生関係が失われた状態で、人間が肥料を与えることをやめてしまった場合、この植物は自ら十分な養分を得ることが出来なくなってしまうでしょう。(Think Daily "小さな共生関係が生態系に及ぼす影響"中川真琴 著 より一部引用)

 

 便利さは、その一方で今までの共生関係を失わせてしまったり、その共生関係が環境に与える影響を、変化させてしまう可能性をはらんでいます。そして、それは一度失われると、また新たな関係を獲得する為に、とても長い時間がかかるものです。便利とは目的までの時短行為であって、目的を達成するまでの経験や、目的以外の結果を得る可能性を含みません。

目まぐるしく変わりゆく世界の中で、今現在、自分と共生関係にあるものが何であり、限りある時間を何に対して費やすべきなのか、そんな事を意識しながら生活する事が大切なのかもしれないと私は考えています。

会場:Gallery MUMON 

開催期間:2019年7月11日(木) ~ 2019年8月10日(土)

開催時間:11:00 ~ 19:00

定休日:日曜日、月曜日

住所:東京都中央区銀座4-13-3 ACN東銀座ビル1階

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